WDCGGとは
温室効果ガス世界資料センター (WDCGG) は、世界気象機関 (WMO) の全球大気監視 (GAW) 計画の下に設立された世界資料センター (WDC) の1つで、
気象庁 (JMA) において運営されています。
WMOからの要請を受けて、
1990年に
気象庁に設立されました。
CO
2、CH
4、N
2O などの長寿命の温室効果ガスは、地球温暖化に大きな影響を与えています。
これらの温室効果ガスの状態について、大気中濃度だけでなく吸収源・放出源を含めて把握することは、緩和・適応政策策定の基礎であり、
そのためには、共通の基準と均一な品質を備えた世界各地の正確な長期観測データが必要です。
これらに関する研究を促進するため、WDCGGを含む各世界資料センターでは、保管するデータを世界中の研究コミュニティが自由に利用出来るようにしています。
WDCGGの機能
WDCGGでは、GAW計画の下で大気や海洋において観測された温室効果ガス (CO
2, CH
4, CFCs, N
2O, など) と
関連するガス (CO など) を収集・保管・配布しています。
また、WDCGGは、
WMO情報システムのデータ収集・プロダクトセンター (DCPC)
としても運用されています。
当サイトは、データ提供機関 (contributors) から提出された温室効果ガス観測データの提供や更新を目的として運用しています。
データ提供機関の多大な支援により、WDCGGはGAWネットワークの発展とともに広範なデータアーカイブを構築してきました。
WDCGGの目的
WDCGGの目的は、科学的な研究や評価、地球温暖化などの環境問題への対応政策の支援、
最終的には社会の環境リスクの低減に向けての貢献と、関連する環境条約の要請への対応です。
WDCGGの活動
1990年の設立以来、WDCGGはその目的を達成するために業務を行ってきました。 WDCGGは最新のGAW実施計画に基づいて運用され、その機能を向上させています。
現在のWDCGGの運営は次の4つの機能から成っています。
-
GAW観測ネットワークや関連する国際研究プログラムからのさまざまなプラットフォームの温室効果ガスと
関連するガスの観測データや付随するメタデータを収集すること
-
検証の後、既知の品質のデータを長期利用のため保管すること
-
アーカイブデータを利用者がインターネットを通じて自由に利用できるようにすること
-
より信頼性の高い監視とデータ解析を促進するため、付加価値プロダクトと利用者支援情報を提供すること
WMO WDCGG データサマリー
WMO 温室効果ガス年報
WDCGGの変遷
温室効果ガス世界資料センター (WDCGG) は、1990年10月に気象庁 (JMA) において設立されました。
GAW 世界資料センター (WDC) は現在7つのセンターが活動しており、それぞれ、温室効果ガス、オゾン・紫外線、降水化学成分、エーロゾル、反応性ガス、太陽放射、リモートセンシングを担当しています。
GAWネットワークは、国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) に基づき組織観測を促進する全球気候観測システム (GCOS) の大気化学成分 (CO
2、 CH
4他) の担当として位置づけられています。
2006年10月のGCOS/GAW間の合意に基づき、より信頼性の高い監視やデータ解析を促進するために、
WDCGGはデータ管理とこれらの種類のガスに付加価値を与えたプロダクトの配布の責任を負っています。
2002年10月、WDCGGは地上オゾン世界資料センター (WDCSO) の役割をノルウェー大気研究所 (NILU) から引き継ぎました。
しかし、2016年1月1日、反応性ガス (CO以外) のデータセンターの役割は、NILUが新たに設立した
World Data Centre for Reactive Gases (WDCRG)
に
正式に移りました。
2016年1月1日以前にWDCGGに提出された反応性ガスのデータはWDCRGに移管されました。
GAWについて
WMOの全球大気監視 (GAW) 計画
(
https://community.wmo.int/activity-areas/gaw) は、
全球大気化学観測、解析、全球大気組成の変動や気象、気候、水象、環境への影響に関する科学的アセスメントに寄与することを目的としています。
GAWは全球気候観測システム (GCOS) の大気組成領域の中で、温室効果ガス、オゾン、エーロゾルといった必須気候観測要素に関連する活動を実施する主導的な計画です。
また、総合的な全球大気化学観測や温室効果ガス、オゾン、エーロゾル、反応性ガス、降水化学成分に関する研究を促進する
全球地球観測システム (GEOSS) にも大きく貢献しています。
GAWの使命 は、大気汚染、生態系および人の健康、食糧生産、気候変動に関連する大気組成に関連する社会へのリスクを低減し、信頼できる質の高い透明性のある科学的根拠に基づく情報を提供することによって、政策および条約の要件策定を支援することです。
これは、大気の化学組成と特定の物理的特性について、全球的で長期の観測を維持・運用し、品質保証と品質管理に重点を置き、社会に関連する統合的なプロダクトとサービスを供給することによって達成されます。GAW計画は、WMOの構成員によって実施され、国際的な科学コミュニティによって支援されています。
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